私のルネサンスごはん ごはんとおかずのルネサンス

第1回:服部みれいさん(『murmur magazine』編集長、文筆家/東京都)

【その4】弓田さんの「おいしさ」の基準が知りたいな、と思う時があります。
素材を食べ比べるような、「弓田さんの舌をかいまみる会」があったらいいですね。

──マーマーガールズの皆さんも、ご自分なりにアレンジしながらルネサンスごはんを取り入れてらっしゃいますよね。この間もツイッターで、塩の代わりにご自分で作った塩麹を入れて作っているという方がいらっしゃいました。

服部みれいさん(以下:服部) それは面白いですね。マーマーガールズの方達は感度がいいんでしょうね。うちの読者さん達の集まりでお弁当持参の会があったんですけど、その時はいりこ率が高かったですよ(笑)。

──以前、熊本に弓田の講演会で行った時に、主催者の方から、最近は子どもたちの運動会に、お金を渡してコンビニでお弁当を買いなさいという親御さんも多いと聞きました。地方なら素朴な食卓の風景があるのかと思ったら、今はそうでもないんだなとその時思いましたが、服部さん自身、その辺についてはどう思われますか?

服部 もしお母さんが子育てに自信がなかったとしても、ご飯だけはちゃんと作ってみるようにするといいと思っているんですよね。

──以前、服部さんがイベントで、おにぎりをにぎることが大事って言ってましたが、お母さんが作ってくれたものだからこそ食べると愛情を感じるというのはありますよね。同じおにぎりでも、コンビニのおにぎりとお母さんのおにぎりは、やはり違いますよね。

服部 そうよね。子どもってコンビニとかスーパーのものを食べたがるけれど、それはベースに楽しい家庭の食事があってのことだと思うんです。食事をよくするのは簡単なことですよね。私はね、放射能を怖がってピリピリしたムードでテレビを見て怒られながら食べるんじゃなくて、ご飯を食べる時はテレビを消して、ゲームもやめて、携帯も置いて、それで炊きたてのご飯とお味噌汁だけでもいいから、家族で食卓を囲んで食べる、ということが…見逃しがちですが、身体のためには本当に大事なんじゃないかなって思います。

──マーマー農園も着々と進行中ですね。

服部 ルッコラとか、いろいろ育てていますよ。私達もコンピュータにばっかり向かって仕事をしているので、家庭菜園をやるのは楽しいですよね。今年は原宿産のジャガイモを食べました(笑)。

※事務所のベランダを使ったマーマー農園の見取り図。
※ちょうどルッコラの芽が出てきたところ。

──では最後に。今後、弓田亨にぜひ取り組んでほしいと思うことがありましたら、教えてください。

服部 弓田さんと話をしていると、多分、私がおいしいと思っているレベルでも、弓田さんはおいしいとは思っていないんだろうなって感じることがあるんです。弓田さんがおいしいって思う“尺度”を知りたいな、と。だから「弓田さんの舌をかいまみる会」をぜひやってほしいですね。例えば、何種類かの人参を並べてみて、弓田さんがそれぞれの味をどう感じているのか批評してもらって。その後、弓田さん曰く「何の味もしない」人参をルネサンスごはんに入れるとおいしくなるのは何故なんだ、と説明しながら実際にご飯を食べるとかね。

あ! それともう一つ。いつか、ルネサンスごはんが食べられる食堂が出来たらいいですよね。弓田さんにはこれからもいろいろ頑張ってほしいです。

──服部さんありがとうございました!

【その1】最初に弓田さんのおせち料理を食べた時、子どもの頃に食べた、祖母の料理を思い出しました。
【その2】私にとって、弓田さんは愛情ある昭和の頑固爺。表面のことばではなく、弓田さんの愛を受け取ってほしいです。
【その3】実家の父が、「おいしい」って食べてくれたことに感動。ひじきご飯が、私のルネサンスごはんのスタートです。





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