第14回:中山日さえさん
中山日さえさん プロフィール
ご職業:介護職、ファンキーオーガニック アルジュース主催
ルネサンスごはん歴:2013年の5月より
ブログ:http://ameblo.jp/arujuice/
初めてルネサンスごはんを食べた時、
頭をすっとばして、心と体が「コレ、コレ、コレーーーー!!」と
言っているような感覚でした。
──まずは中山さんが「ルネサンスごはん」を知ったキッカケを教えてください。
中山日さえさん(以下、中山) マーマーマガジンで出会ったのがきっかけです。
──最初、アク抜き・下茹でしない、砂糖・みりんを使わない、いりこなどを入れてそのまま食べる、などのルネサンス流の作り方を見た時は、どう思われましたか?
中山 むかし、小林カツ代さんが、「今のごぼうはアクなんてないから、水にさらさなくてもいいのよー」とどこかでおっしゃっていたのを思い出し、「アク抜き、下茹でしない」というのは、味がずいぶんくっきりするのでは、と思いました。
ですが砂糖とみりんについては、私自身の好みで、もともと使う量が少ない方でしたが、「全く使わない」となると、お料理によっては味が決まらないのでは、と心配になりました。
いりこについても、「そのまま食べる」というのは驚きでした。子どもの頃、母はみそ汁の出汁をいりこでとっていましたが、忙しいといりこを入れたままの時があり、閉口していたのをおぼえています。そして今まさに、うちの子どもたちも同じ経験をしています。(笑)
今のところ、家ではいりこを刻んで使うという方法をとっています。
──ルネサンスごはんを初めて食べた時の感想を教えてもらえますか? また代官山の講習を受けて椎名先生の料理を実際に食べた時の感想なども。
中山 頭をすっとばして、心と体が「コレ、コレ、コレーーーー!!」といっているような感覚でした。
すなおで、どこか土くさく、けれどもちっとも野暮ったくはなく、くっきりとしたおいしさ。だれが食べても、きっとおいしいとかんじる、まさに求めていた味だ、と思いました。
椎名先生のルネサンスごはんは、わたしが作るものよりさらにおいしかった。レシピのg単位まで同じにつくっているはずなのに、不思議ですね。
また、わたしは無農薬のお野菜を買って作っていたのですが「お野菜、お肉などはすべてスーパーでそろえました」の一言に、いい意味で「があああん」、となりました。(笑)
──無農薬の野菜を使ってご自身で作った料理よりもおいしかったと?
中山 そうですね。
──ルネサンスごはんを始めてみて体調の変化などありましたか?
中山 わたしは、幼少のころからのアトピー性皮膚炎がほとんど出なくなりました。体温も上がり、免疫が上がったためとかんがえています。
また、手荒れもひどく、水でも荒れていた(!)のが、職場で強めの洗剤を素手で使うこともできるようになりました。お肌もうるおうようになって、若く見られるようになりました!(嬉)
次男も肌が弱く、夏でも粉を吹いていたくらいだったのが、この冬はしっとりおちついています。
──よく作るメニュー、家族やお子さんが好きなメニューなど、いくつか挙げてください。
中山 毎日作るのは、やはり「基本の白いごはん」と「味噌汁」です。
それと、自分のために「金平ごぼう」はよく作るなあ。(笑)
こどもたちは「かき揚げ」、「から揚げ」、「ハンバーグ」、「じゃがいものグラタン」、「カレー」「ポテトサラダ」「ロールキャベツ」、「おでん」が大好きです。
もとから好きなメニューですが、ルネサンス式にしたところ、「今までで一番おいしい」、「さすが弓田さんやな!」なんて言うております。
──日々の暮らしの中で手抜きしていること、我が家でのアレンジ術、ルネサンスの考え方を取り入れたオリジナルレシピなどがあればご紹介ください。
中山 寿司桶をつかう余裕のないときは、よくまぜた後に、乾いた晒し布をかぶせたりしてお茶を濁しています。
また、金平ごぼうの工程で、「いりこと昆布をつけておき、さらに2/3量まで煮詰める」というものがありますが、たまーに炒める段階で刻んだいりこを加えるのみ、の時も。
これは、わたしの郷土(宮崎県です)料理の「油味噌」からヒントを得たものです。
「油味噌」とは、ごま油で、いりこの刻んだもの、夏野菜(ピーマン、茄子、ゴーヤなど)を炒めてみりん、砂糖、味噌で調味した百姓めしです。たくさんとれる夏野菜も使えるし、日持ちするし、お米をたくさんいただけるし、焼酎のあてにもなるという、なかなか使える子なのです!アレンジというと、この油味噌を砂糖、みりんなしで作ってみようと、いりこの量を増やし、昆布粉、塩麹、ナンプラー少々でつくりました。夏の、帰省の際にも家族に好評でしたよ。
また、レシピにないメニューを作るときも、「これはルネサンス式で作れないかな~」と考えてからなにかをとりいれつつ、(いりこ、鰹節、昆布の出汁を使ったり、砂糖、みりんなしで味を組み立てたり、幅広い栄養のためにいろんな食材をいれたり)作ったりしています。
最近では、クラムチャウダーや、鰯のかまぼこを洋風仕立てでアレンジしたりしました。
──これからルネサンスごはんをやってみようかなと思っている方に、何かアドバイスはありますか?
中山 「基本の白いごはん」と「味噌汁」、それからご自身や家族さんの好きなメニューからはじめてみるのがいいと思います。そして時間をたっぷり使える日に、基本に忠実に(野菜も定規で図って切ってみたり!)作ってみること。「急がば廻れ」です。
あとは気楽に、1週間、1ヶ月と続けてみてほしいと思います。
体に変化があるとやはりうれしいので。
それから、もし、「やろう!」と思ったら、材料を多めにそろえておくこと。ワンクッションがなくスムーズにとりかかれるということも大事だと思います。
いつか、ルネサンスごはんの離乳食を介護食にしたり、
精神疾患の方にも定期的に提供できたらいいなと思います。
──ところで2014年2月2日に、はじめて産経学園さんを会場に弓田ごはん講座を開くこともできました。ごはん、味噌汁、金平ゴボウ、野菜サラダと、とても盛りだくさんのメニューでしたが、とても好評でしたよね。
中山 お知らせ後、早くにキャンセル待ちになったとのことで、「ルネサンスごはん」の確かな広まり、需要を感じました。
参加していただいた方はみな、何かしらの形で弓田ごはんをご存知だったり、実際にご自身でつくっていたりされていたので、わたしのフィルターを通しつつではありますが、弓田さんや眞知子先生の思いをお伝えしたり、「ルネサンスごはん」を続けていけるようなやり方などを探っていけたら、と考えています。
この日は基本のごはん、大根の味噌汁、金平ゴボウ、野菜サラダでした。
──ちなみに普段はどのような形でルネサンスごはんの普及活動をされていますか?
中山 月1のサッカークラブでのセミナーや、偶数月の第3日曜日に主催している「街角の小さな蚤の市」での出店があります。
「街角の小さな蚤の市」は、近所の志あるお店さんたちと「くらしをゆたかに」をモットーに、まちおこしの一環として開催しているイベントです。前回は、サッカークラブの保護者さんや、産経学園でセミナーを受けてくださった方もあそびに来てくださいました!
──その他にもまだまだ考えていることがあるようですが。
中山 今年の4月には、東北から関西に避難している被災者の方向けのワークショップ、TRE(トラウマ・リリース・エクササイズ)の、ケータリング&紹介として「ルネサンスごはん」を提供しました。
参加者はほとんどが子供さん連れのお母さんたちで、子供たちがぱくぱく食べているのにおどろかれたり、「すごくおいしくてびっくりした!」「本を買ってつくってみます」という声がたくさんあがりました。
この2月から介護職の訪問現場で働きはじめているのですが、あらためて食、の現場は酷い、と感じています。
正社員になるので、他に活動ができないとのことで、ルネサンスごはんの活動については、ボランティアを考えていたのですが、オーナーが「部署を立ち上げたら?」とおっしゃってくださっているので、いつか、ルネサンスごはんの離乳食を介護食にしたり、精神疾患の方にも定期的に提供できたら、と考えています。
──おお!それはすばらしいオーナーさんですね。実はイル・プルーの卒業生でもそういう仕事をされていた方が、ご年配の方々にルネサンスごはんを食べさせていたことがあるんです。最初は見た目が地味すぎるのか、あまり評判がよくなかったみたいなんですが、実際に食べてみておいしいからと、それまで食欲がなかった人まで食べるようになったそうです。お菓子も、イル・プルーのお菓子を作って持っていくと、他のお菓子は食べないのに人の分まで食べてしまう人もいると(笑)。
やはり、赤ちゃんでも大人でも、本当においしいものなら理屈抜きで食べてみれば分かるのかなって思いますね。では最後に。弓田亨、椎名眞知子に一言あれば。
中山 「ルネサンスごはん」を産みだしていただいて、ありがとうございます、の一言です。
子供を生んで知るようになった、化学肥料や農薬の問題やビジネスだけを重要視した食品業界のこと。
3.11からの内部被爆のこと。
「食べてはいけない!あぶない!」
スーパーへ行っても、長時間うろうろした挙句、何も買えずに帰ってくることもありました。
3度3度の食事のことを考えるのもしんどく、かといって「しょうがない。」とあきらめることもできず、ベジタリアン、マクロビオティック、ナチュラルハイジーン、ローフード。
いろんな食事法を試しては、何かしらストレスをかかえたり、家族にブーイングがおこったり。
そんな中で「ルネサンスごはん」に出会いました。
はじめてつくった「ルネサンスごはん」をがっつく子供たちを見て「あー、わたしはずっと頭でごはんをたべていたのだなー。」と思いました。
食べ終わった子供たちが「おかあさん、なんだか手足がぽかぽかする」といっていたのもとても心に残っています。
「ルネサンスごはん」のことをおもう時、わたしは、「あたらしい皮袋に入れたふるいワイン」という言葉を思い出します。
ぱっと見、目新しく感じるのに、中身は先人たちの知恵がつまっていて、それが今にちょうどよく、熟成しているような。
一言と言っておきながら、長々とすんません!
ただものではない、このごはんが、たくさんの人たちに出会うことをねがっています。
──ありがとうございました。これからも普及活動宜しくお願いします!