第9回:なみさん(主婦/青森県青森市)
なみさん プロフィール
ルネサンスごはん歴1年半。
一人暮らしをはじめて以来12年、基本的に自炊。野菜大好き、温かいもの大好き、お肉もお魚も何でも食べます。
家族揃ってルネサンス肉ジャガが大好き!
弓田さんのいう「ふっくらとした味わい」を求めていたんだと、
ルネサンスごはんを食べるようになってから気づきました。
──ルネサンスごはんを知ったキッカケが、『マーマーマガジン』とのことですが、弓田がインタビューを受けた、アスパラの表紙の号ですか?
なみさん(以下、なみ) はい
──最初にルネサンス流のごはんの作り方を見た時、どんな感想を持ちましたか?
なみ 「アク抜きや下茹でをしない」というのは、栄養素が流れ出ないのはいいかもしれないな、というイメージを持ちました。「砂糖・みりんを使わない」のは、それまで作っていた一般的な肉ジャガのレシピが甘くてしょっぱくて、食べていて疲れるなぁと感じていたので、砂糖やみりんを使わないという点はとても魅力的でした。「いりこをそのまま食べる」のも、実家の味噌汁が幼いころから丸ごと煮干しが入っていて、もちろん煮干しも食べていたので違和感はありませんでした。
──ちなみに、ルネサンスごはん以前は、どんな食生活を送られていましたか? もう少し外食が多かったとか、それとも日々きちんと作っていた、とか。
なみ 結婚以来5、6年はしっかり作って食べています。美味しさを想像しながら、段取りよく、少しのコツを押さえつつ、調理中のいい香りに包まれるのがとても好きなもので。
──著者である弓田は福島県会津の出身なんですが、青森というのはいりこ文化というのはあるんでしょうか? なみさん自身、いりこは普段から慣れ親しんでいた乾物でしたか?
なみ 私も両親祖父母も北海道の生まれ育ちで、夫とその両親祖父母は青森県の出身です。そのため、わたしのおばあちゃんの手料理は思いっきり北海道色だと思います。
お義母さんがよく作ってくださるのは、「けの汁」という郷土料理です。5ミリ角に刻んだ根菜・山菜・昆布を水で煮て味噌で味を整える、というもので、東北地方のお正月には欠かせないお料理で、とても美味しいです。ただ、けの汁にいりこは入っていませんし、普段の食事においても、私の婚家では、郷土的な伝統によるいりこの日常使いはないように見受けられます。(お味噌汁の出汁はいりこでとるときもありますが)
──初めてのルネサンスごはん体験はどのメニューですか?
なみ いちばん最初に作ったのは、肉ジャガでした。とっても美味しい!これこそ、心から求めていた、肉ジャガの美味しさ! 本当に感激して、しょっちゅう作っています。家族で、肉じゃがを山盛り食べています。
ルネサンスごはんを知る以前は、みりんたっぷりの肉ジャガは味が濃くて少ししかたべられないので調味料を減らしたこともあったのですが、調味料を減らすだけだと味が薄くてぼやけていておいしくないので、みりんをたっぷり使って作るしか方法を知らなかったんです。
──では、日頃よく作るメニューといえば?
なみ まずは肉ジャガ! 家族、実家の母、友人、食べた人みんなが、美味しい!!と言ってもりもり食べます。
──なるほどそうですか。実は、ルネサンスごはんの中で、肉ジャガってとっても象徴的なメニューなんです。砂糖もみりんも使わずに味が成り立つのか。一番試作で弓田と椎名が苦労したのが、肉ジャガなんですよ。ちなみになみさんが作る肉ジャガは、新版のものですか?(実はルネサンスごはんには、新版の肉ジャガ、今昔おかず編掲載の春の肉ジャガ、夏の汗っかき肉ジャガの3種類があるんです…)
なみ 『新版ごはんとおかずのルネサンス基本編』の肉ジャガです。
──肉ジャガ以外で、よく作るメニューがあったら教えて頂けますか?
なみ 特に夫や子どもが好きなのが、ルネサンスのカレー。あとはジャガイモの味噌汁もよく作ります。
──ちなみに突撃隣の晩ご飯じゃないですが、ちょっと食卓風景を紹介してもらってもよいでしょうか?
なみ いいですよ! これは急に暑くなってきたある日の晩ご飯です。
・白米・玄米・黒米・刻みアーモンド・オリーブオイル・塩、のご飯
・ルネサンス肉じゃが
・お隣さんが庭で育てた、採れたてほうれん草(生)とかぼちゃのサラダ 刻みアーモンドと
・自宅で収穫したてのきゅうり、切っただけ
・あたたかい麦茶
──なるほど。野菜も切り方が豪快で、ルネサンス!な感じが溢れてますね(笑)。なみさんの主婦目線で、日々の暮らしの中で手抜きしていることやアレンジ術、ルネサンスの考え方を取り入れたオリジナルレシピなどがあれば教えて頂けますか?
なみ 炊き上がったご飯に、炒って刻んだアーモンドをまぶすだけのときもあります。白米、(玄米はあるときとないときが)、黒米、アーモンド、塩、オリーブオイル、のパターンも好きです。翌日、あるものでチャーハンにするととっても美味しいです。
時間をかけて出汁を水に浸してとることができなかったけれど・・というときは、鍋に水を入れて出汁の材料を入れて、弱火でじっくり火を入れて調理を始めるようにしています。
肉ジャガに使う、水に浸した大豆を準備していなかったときは、乾燥豆のまま作り始めて、次の日に豆を食べ始めたりしています(笑)。
ルネサンス流に炊いたご飯で作るちらし寿司もおいしいです!ごはんに出汁醤油、オリーブオイル、塩、米酢を適量加えて混ぜまして、その上に、薬味や錦糸玉子、ほぐした焼き魚またはオイルサーディンなどを乗せたものです。(もとは、マーマーマガジンno12号アスパラの表紙で紹介されていた、たかはしよしこさんのレシピだったのですが、何度も作るうちに我流ミックスになって我が家の定番になっています)
──これからルネサンスごはんをやってみようかなと思っている方に、何かアドバイスはありますか?
なみ 時間をかけてみようかな、という方にはぜひ、カレーを! 男性にも子どもにもきっと喜んでもらえるはず。簡単に始めたい方は炊き込みご飯。材料がある程度あるならルネサンス流に炊くご飯や、それで作る納豆チャーハンもお薦めです。
──なみさん流納豆チャーハンのレシピがあったら、ちょっと教えて頂けますか?
なみ ごめんなさい、納豆チャーハンは、ほんとうに、そのとき家にあるもので作る、という感じです。ルネサンスごはんに、納豆、あれば卵、のり、キムチが入ったり、千切りきゅうりが入ったり、と、思いつきと季節の食材の賜物でできています。
これは弓田式に炊いたご飯をごま油少々でいためて、そこへ、納豆、卵・しょうゆ少々を加えて炒めてできあがり。お好みで、しらす・のり・青しそ・刻んだモロヘイヤを載せていただきます。朝ごはんによく作るのですが、夫も子どもも勢いよく食べています。
ごはんが最初からオリーブオイルでコーティングされているからでしょうか、油っぽくないのにぱらぱらしていて、少しもべたつかずにとても食べやすい、失敗しらずのチャーハンです。
──次の写真は、ビビンバ風、とのことですが。
なみ はい。ひじきの炊き込みご飯でビビンバ風にしました。残ったひじきの炊き込みご飯をぱりぱりに焼いて、真ん中に卵を落として、卵にお醤油、刻みねぎ。ごはんには、しらす・大葉・残り物のお浸しなどをのせてビビンバ風に食べるのも、我が家で人気です。
──炊き込みご飯は作るとたくさんできてしまうので、先ほどのチャーハンや、ビビンバ等、炊き込みごはんを翌日アレンジする、みたいなメニューは、食べ飽きなくていいですね。なみさんは、ルネサンスごはんを始めてご自身の中で何か変化はありましたか?
なみ 私はルネサンス風に炊いたご飯(白米、玄米、昆布、炒って刻んだアーモンド、いりこ、オリーブオイル、塩、の材料がその時々で変化あり)が美味しくて満足感が高いため、一人で食べるお昼ご飯もそれまでは何となく簡単な麺料理やパンが多かったのですが、家でご飯と納豆とお味噌汁、というスタイルに自然と変わってきましたね。
また素材そのものの味の幅や、調理の仕方による味の出方の違いに興味がでました。
スペイン産のアーモンドはやはり、カリッとした歯ざわり香りともにすばらしいですね!
それからみりんや砂糖を使うときは、本当に使う必要があるか、どのくらいあれば十分かを考えてから使うようになりました。また質のよい調味料を選ぼうと気合が入りましたた。冷凍の魚よりも、極力、鮮魚を買うように。電子レンジの使用を最低限に。採れたて野菜の美味しさに気づいて、小さい庭だけれど野菜作りに精をだしています。
──野菜作りは如何ですか? やはりスーパーで買うものと、自分で作る野菜は違いますか?
なみ 実物・根物は、やはりプランターで作ったものよりも、小さくても畑の土で作った方が、野菜が元気でおいしいです。夏野菜(きゅうりやトマト)は極力水やりを控えたほうが美味しくなると聞いて、プランター栽培から地植えに変えたところ、今年のきゅうりとトマトは近年最高の出来栄えです。完熟食べごろを採れたてで食べると、味がぎゅっと濃くて甘くてほんとうに美味しい。ゴーヤも苦くないんです。スーパーには並ばない、まだ若い小松菜やほうれん草やニラは、葉も茎もやわらかくて甘く、香りはおだやかで、渋みは少ない。自分で育てたものやご近所さんが育てたものを頂いたりして、分かったことです。この美味しさを知ってしまったからには、野菜作りは、細く長く続けていきたいです。
──最後に。弓田亨、椎名眞知子に一言あれば。
なみ レシピに添えられている弓田亨さんの言葉が大好きです。「ふっくらとした、心と身体が浮き立つような味」そういうものを求めていた、と気づくことができました。
なんとなく体がだるいような・・・というときは、決まって、ルネサンス肉ジャガです。すっかり元気になれるんです。熱意と努力の果実である素晴らしい知恵と言葉を、ありがとうございます。この場を借りて、深く、深く、感謝申し上げます。
──ありがとうございました!