第7回:福岡智子さん(「Coccoのお菓子と紅茶教室」主宰/東京都)
福岡智子さん プロフィール
イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ フランス菓子教室本科第1クールを2009年に、本科第2クールを2010年に、フランス料理を2009年に卒業。イルプルでは、単に菓子作りだけでなく、食とは何かを学んだと言う。現在は立川市でお菓子と紅茶の教室主宰。現在はご主人と9ヵ月の娘さんの3人家族。 ルネサンスごはん歴は約3年半。
初めての子育てに奔走中。
ルネサンス流で母乳と離乳食を与え、風邪もひかず元気です。
──ではまず、ルネサンスごはんを知ったキッカケを教えてください。
福岡智子さん(以下:福岡) イルプルのフランス菓子教室のレッスン中に、弓田先生からお話しを伺いました。
──最初、アク抜き・下茹でしない、砂糖・みりんを使わない、いりこなどを入れてそのまま食べる、などのルネサンス流の作り方を見た時は、どう思われましたか?
福岡 初めてルネサンスの基本の白いご飯を見たときは、正直驚き、衝撃を受けました。艶々と輝く炊き立ての白いご飯がおいしいと思っていた私にとって、いりこ、アーモンド、昆布、オリーブオイルを入れる炊き方はおいしいのか半信半疑でしたし、お茶碗によそわれた「いりこ」そのものの姿に躊躇しました。
しかし、レッスン中に弓田先生からルネサンスごはんの作り方を伺いながら、これまで食に関する疑問点がだんだんと解消していきました。
──例えばどんな点ですか?
福岡 私は幼いころからお砂糖とみりんを大量に使用して作るお節料理を、身体が自然と受けつけなかったんです。また広島出身の知人でとても優秀かつ強靭な肉体をもったビジネスマンの方がいるのですが、子供のころのおやつに瀬戸内海の「いりこ」を食べていたと聞いたことがあります。39歳にして虫歯もなく、ワールドワイドに活躍するパワーの源は「いりこ」なのかな、と。
──弓田の話と、ご自身の体験というか、これまでちょっと「実は、こういうことなんじゃないか」と薄々考えていたことが、結びついた、という感じでしょうか?
福岡 そうですね。それで弓田先生のお話からルネサンスごはんに興味を持つようになり、椎名先生が教える講習会に何度か参加させて頂きました。
アク抜き・下茹でしない、砂糖・みりんを使わない料理方法で作るごはんのおいしさと豊かな香りに感動し、自然と身体がルネサンスごはんを求め、今ではアク抜き・下茹でしない料理方法が私にとって当たり前になっております。
──初めてルネサンスごはんを初めて食べた時の感想は?
福岡 初めてのルネサンスごはんは、実は講習会ではなく、第1クールのレッスンのお昼休みに頂いた椎名先生特製の「ひじきごはんのおにぎり」なんです。
それはそれは大きく、ごはんよりも具の方が多くてビックリしましたが、不思議といまだにあのおいしさを思い出すことができます。香り豊かで、食べごたえがあり、また食べたい!と心の底から思うおいしさでした。
──確かに具の方が大きいですよね(笑)。福岡さんはルネサンスごはん歴3年半ということですが、体調の変化などはありましたか?
福岡 私は吹き出物ができなくなりました。以前は吹き出物が全く治らず、皮膚科やお薬、化粧品など様々なものを試しましたが、ルネサンスごはんを始めてから、吹き出物の悩みはなくなりました。また、体調を崩すことが減ったように思います。
──昨年秋にお子さんが生まれたそうですが、ルネサンスごはんを始めたキッカケとして、例えば、いずれ赤ちゃんを授かりたい、みたいな気持ちはありましたか?
福岡 ルネサンスごはんは、結婚したタイミングで始めました。第1クールに通っているときに結婚したのですが、弓田先生と椎名先生のお料理本を参考にごはん作りを始めたので、自然とルネサンスごはんになっていったという感じです。赤ちゃんは結婚2~3年くらいに授かりたいと考えておりました。
──妊娠中の体調や妊娠中の食生活について差し支えない範囲で教えて頂けますか?
福岡 幸いなことに妊娠中のつわりは軽い方だったと思います。食欲の波は結構ありましたが、匂いも大丈夫でしたので、食事の内容は普段と変わらずルネサンスごはんでした。特に意識したことは、骨密度が低いのでお魚をよく摂るようにしておりました。
ただ、妊娠32週に入ったところで、逆子でへその緒が2重に首に巻きついていることがわかり、出産日を事前に決めた予定帝王切開で出産となりました。
──現在は母乳と離乳食ですか? またいりこサプリメント(注:弓田亨が考案したルネサンスごはんの考え方を元に作ったクッキータイプのサプリメント)はいつから併用されていたんでしょうか?
福岡 はい。現在は母乳と離乳食で育児をしております。実は、出産後しばらくの間、母乳がなかなか出ずに苦戦し、焦りと疲労がたまる毎日でした。なんとかして母乳のために栄養を摂ろうと、すがるような思いでいりこサプリメントを一日2枚ずつ朝食時に食べ始めたところ、だんだんと母乳の出が良くなり、10日目前後で粉ミルクを与えることなく母乳のみの育児になっておりました。
母乳の出が良くなったのは、いりこサプリメントのおかげと感謝しております。
ちょうど1箱食べ終わる頃には母乳もしっかりと出て、産後の身体の調子も整ってきたので、今は食べていません。疲れがたまったりした時にはまた利用してみようかなと考えています。
──子育てしながらの料理は大変だと思いますが、よく作るメニュー、家族やお子さんが好きなメニューなどあれば、いくつか挙げてください。
福岡 よく作るメニューは「なすの煮物」「ラタトゥイユ」「春菊のサラダ」「きのこいっぱい卵とじ」「かぼちゃの煮物」(全て、『ごはんとおかずのルネサンス 四季の息吹・今昔おかず編』に掲載)です。
──ちなみにお子さんの食事は?
福岡 9か月になる娘は母乳と離乳食で育てております。離乳食作りではお野菜を茹でてすりつぶしており、アク抜きはせず、茹で汁もしっかり与えております。
初めての育児にてんてこ舞いの毎日で、ごはん作りに時間をかける精神的肉体的余裕がないのがお恥ずかしいのですが、風邪もひかず元気に育ってくれているのはルネサンスごはんのおかげと思います。
──例えば他の子と比べて違うなぁと思われることなどはありますか?
福岡 乳児健診で小児科の先生から「順調に育っている」「足を踏ん張る力が強い」「声が大きくて元気」とおっしゃって頂きました。
──日々の暮らしの中で手抜きしていること、我が家でのアレンジ術、ルネサンスの考え方を取り入れたオリジナルレシピなどがあればご紹介ください。
福岡 私は具だくさんのお味噌汁をよく作ります。冷蔵庫に残りがちなお野菜もたっぷり入れると、お味噌汁だけでも十分食べごたえがあり、また冷蔵庫の中もスッキリ片付きます。
アレンジでは、『ごはんとおかずのルネサンス 四季の息吹・今昔おかず編』に掲載の「なすの煮物」にジャガイモと玉ねぎを加えております。肉ジャガのような感じになりますが、とても評判が良いです。
手抜きとしては、厚削りの鰹節はハサミで切る手間を省くため、袋そのものをガサガサっとももみ、鰹節を細かくして使っています。
──これからルネサンスごはんをやってみようかなと思っている方に、何かアドバイスはありますか?(どのメニューから始めた方がいい、など)
福岡 椎名先生の講習会に一度参加されてみることをおススメします。やはり実際にルネサンスごはんの炊かれる香りと美味しさをぜひ味わって頂きたいです。
──ルネサンスごはんを始めたことで、福岡さん自身、食に対する意識などが変わりましたか?
福岡 食に対する欲求がますます深まったように思います。初めての育児でキッチンに立つ時間も限られる毎日ですが、口にするものが子供の将来に大きな影響があるということを意識し、食材を選び、しっかり食事を摂り、笑顔で過ごすことを心掛けております。
──ぜひ、これからもルネサンスごはんでの子育て、頑張ってくださいね。ありがとうございました!