※師範を取得すると材料を安価に購入できるなどのサポートがあります。
※師範でなくても教室を開くことはできます。教室で習ったお菓子は同じ名前を使用していただき、同じレシピを生徒さんにお渡しいただけます。
高校一年生のときに兄が東京土産で買ってきてくれたイル・プルーのリーフパイを食べた時にあまりのおいしさに衝撃を覚え、どうしても自分で作ってみたいと思ったのが、教室に通いたいと思ったキッカケでした。
めん棒を使って生地をのばす授業では、毎回先生の手さばきが魔法のように見えました。初めて一人で伸ばしたパート・シュクレは丸くならずに北海道のようなひし形になり、自分のセンスのなさに辟易しました。私一人、なかなかうまくできなかったので先生の作業にかなり食い入るように瞬きもせずに見てた記憶があります。器用な人間ではないのでなかなかコツがつかめなかったのですが、イル・プルーで学んでいるうちにできるようになり、いまでは一番大好きな作業になっています。
教室に通って、自分の人生が大きく変わりました。これからは、イル・プルーで学んだたくさんのことを大切に、自分なりに新しいお菓子をいろいろと作っていったり、教室でイル・プルーのお菓子をたくさんの人に伝えていきたいです。
弓田先生、椎名先生には本当にお世話になっています。イル・プルーがなければ、今の私はありません。弓田先生、椎名先生への感謝の気持ちを忘れずに、毎日楽しく仕事をし、スタッフと共にもっともっと、がんばります!これからも見守っていただければうれしいです。
紅茶グマ焼菓子工房
2000年度 本科第1クール卒業
2001年度 本科第2クール、卒業研究科Ⅰ卒業
2002年度 卒業研究科Ⅱ卒業
2005年度 卒業研究科Ⅲ卒業
2007年度 フランス料理Ⅰ卒業
2008年 師範取得
フランスに住んでいた頃、遊びに行った友人の料理人の本棚に、「イマジナスィオン」の本があり、科学の本でも見るような不思議な気持ちで、眺めていたのを思い出します。
その後、帰国してお菓子作りを学び始めましたが、やはり、最初に覗いたあの本の影響は大きかったのだと思います。
どうしても、イル・プルーで勉強したくなり、通い始めました。
なかでもイル・プルーが代々木上原にあった頃に食べ、そのおいしさに感動したケーキ「パルフェ・オ・ポワール」を教わり、自分の手で再現出来た時の喜びは、今でも忘れられません。
今の店を開店するかどうか迷っていた時、「失敗して後悔するのと、何もしないで後悔するのと、どっちがいい?」と、背中を押してくださったのが、弓田先生と椎名先生でした。
お二人の言葉がなければ、今の自分はなかったと思います。
Very berry tea and cake教室
師範
「お菓子を作るのが好き」でイル・プルーのお教室に足を踏み入れましたが、驚くことの連続でした。ストップウォッチや温度計を使っての理科の実験のような授業や本格的なケーキを作ることができたり・・・・と、さまざまな驚きでした。イル・プルーで弓田シェフの作る、物語のあるお菓子の勉強ができたことは「人生の宝物」です。
今はハウス栽培などで1年中フルーツが店頭に並んでいますが、お菓子にも旬の季節があり、春はイチゴ、夏はパッションフルーツやココナッツ、秋は栗やかぼちゃなど、その季節ごとにおいしいお菓子が作れることを教えていただきました。寒く長い冬が終わり、やわらかい春の風が吹く頃になるとタルトゥ・フレーズの季節となり、作っている最中から心がウキウキしてきます。このウキウキ・ワクワクを皆様に知って欲しくなり、現在は小さなお菓子教室も始めました。
イル・プルーでの教室は、作ることの楽しさも教えてくれますが、作るということにより、今まで知らなかったフランスの文化や生活の豊かさなどいろいろなことが感じられ、習う側の気持ちも豊かにしてくれます。こんなお菓子教室は、他にはないと思っています。「迷っている」なら、是非1度イル・プルーに足を運んでみたらいかがでしょうか?きっと後悔はしないと思いますよ。
私は、今イル・プルーのレシピを中心にケーキ教室を開いています。
今でも教室に通い始めた時の感動をはっきり覚えています。弓田シェフのお菓子作りにかける思いに圧倒され、非常にわかりやすいご指導に感心しきりでした。初心者同然の私が師範の資格を取ることができたのは、本物の味を追求する弓田シェフや椎名先生の情熱に少しでも近づきたい、という思いからでした。
自宅のケーキ教室にいらっしゃる生徒さんは、イル・プルーのレシピを学びたい方が多いです。すばらしいケーキの味をお伝えすることができるのはとても幸せですが、弓田シェフから学んだことを正確にお伝えできるか、いつも緊張の連続です。
師範取得後にも椎名先生のフランス料理Ⅰを受講。毎回、新しい発見と感動に満ちた、ワクワクしながらの授業でした。いつか料理教室も自宅で開きたいと夢見ている今日この頃です。
Méli-Mélo(メリメロ)
1997年度 入門速成科(現 楽しく洋菓子科)卒業
1998年度 フランス料理Ⅰ卒業
2000年度 本科第1クール卒業
2001年度 本科第2クール卒業
200年度 卒業研究科Ⅰ卒業
2003年度 卒業研究科Ⅱ卒業
2004年度 卒業研究科Ⅲ卒業
2003年 師範取得
イル・プルーの教室での学びは、私の人生に大きな影響を与えてくれました。
始まりは、弓田シェフの著書を拝見した時。そのお菓子作りの緻密さにとても驚きました。「こんな科学みたいなお菓子の本を見たことがない!」から始まり、「食べてみたい!」「作ってみたい!」そう思い続け、教室で初めて“洋梨のババロア”を作った時の感動を、今でも鮮明に覚えています。信じられないくらい美味しかったこと、そして、それを不器用な私が自分で作れたことは、人生を覆すほどの衝撃でした。
教室に通っている間、本当に楽しく、たくさんの再現可能なお菓子を作る技術を学ぶことができました。
また、教室では、弓田シェフと椎名先生の妥協のない「追求する」という姿勢を学ぶことができました。それは素材の探求、何度も重ねる試作、技術の工夫であり、そして、それを伝えるということに真摯に向かう姿勢は、人生において何よりもの学びでした。
現在、私はお菓子作りから離れ、お茶の輸入やブレンド販売をしていますが、今も教室で学んだ素材や味への探究心は健在です。
イル・プルーの教室では、他では得ることの出来ない人生の宝物を手にすることができました。
そして、卒業後もいつでもまた学びに行ける教室は、今でもどこか心のよりどころのような存在でもあります。
2002年度 本科第1クール卒業
2004年度 本科第2クール卒業
2005年度 卒業研究科Ⅲ卒業
2006年度 卒業研究科Ⅰ卒業
2009年度 フランス料理Ⅰ卒業
いくつかのお菓子教室に通いましたが余り上達しませんでした。友人が通っていたイル・プルーを勧められ、クリスマス講習会に参加し、その時のお菓子が本当に美味しくて通うことにしました。初めての授業で作ったイチゴショートとブランマンジェ。お店と同じ味のお菓子を口にした時のなんとも言えず幸せな気分は、お菓子を作りつづける私の原点です。
イル・プルーに通うようになり、本当に誰でもおいしいお菓子が作れる事を日々感じ、通って3年目にお菓子教室を始めました。きちんとした作り方を学びおいしい素材を使うと誰でも本当においしいお菓子が作れることを毎回の授業で実感出来たからです。
弓田先生の素材選び、使い方は毎回驚きと感動を感じました。リキュールの美味しさ、香りの素晴らしいバニラエッセンス、手をかけなくてもおいしいデザートになるピューレ等数えきれないくらいのおいしい素材も今では身近な存在です。本当においしいお菓子が家庭で出来るということ。それがイル・プルーのお菓子のすばらしさだと思います。
小さな教室ですが、イル・プルーのお菓子を楽しみながら生徒様が作ることができるように日々精進していきたいと思います。
素人だった私が曲がりなりにもお菓子を人に教えられるようになったのは、弓田先生、椎名先生から教えて頂いたお菓子作りがあってこそ。また、いつでも質問に丁寧に答えて頂ける有り難さは、私も教室で実践したいと思います。作れるはずもないと思うお菓子が楽しく作れてしまうのは、しっかりとしたルセットがあるからに他なりません。他では学べなかった本当のお菓子の作り方が、イル・プルーのお菓子教室にはあります。
今では最初の授業で弓田先生が「他のお菓子が食べられなくなるぞ」と言った通りになってしまいました。
お菓子教室&食育コミュニティ キッチンスタジオ「横浜ミサリングファクトリー」 >>
2005年度 本科第1クール卒業
2007年度 本科第2クール卒業
2008年度 卒業研究科Ⅰ卒業
2009年度 卒業研究科Ⅱ卒業
一番印象に残っているのは、入門コースを見学した時のこと。ミートパイとクレーム・ブリュレの授業でした。省略することなく工程一つ一つ、時間をかけて教えていた点。そしてコスト度外視で本当においしいものを作ろうという素材の使い方にびっくりしました。
イル・プルーの教室に通うようになってから、お菓子作りに関わるすべてのことが変わりました。子供の頃から我流でして来たお菓子作りが180度変わりました。
お菓子を作ることがもっともっと好きになりました。これからは、イル・プルーの技術をベースに、自分なりの気軽に作れるお菓子のレシピを開発し、お菓子作りをする人のすそ野を広げていきたいです。
イル・プルーに出会えたことを心から幸せに思っています。妥協しない姿勢を貫くことは想像以上に大変なことだと思いますが、それを実践しているイル・プルーの存在は本当に偉大だと思っています。私が教えている子供達には、「いつかイル・プルーへ行きなさい」と伝えています。
弓田先生、椎名先生、末永いご活躍をお祈りしています。
ラ・パティスリー・ランコントレ
2000年度 本科第2クール卒業
2002年度 卒業研究科Ⅱ卒業
私とフランス菓子イル・プルー・シュル・ラ・セーヌとの出会いは、以前私の店‘ランコントレ’のスタッフだったM君のことを抜いては語れないでしょう。
当時23歳だった彼が、いつも熱っぽく語ったのは‘洋菓子界の聖人’あるいは‘奇才’と敬う弓田先生のことでした。受験勉強など一度もしたことがなかった彼が、仕事の後、押し寄せる睡魔と戦いながら、先輩に借りたという弓田先生の本 「Patisserie francaiseそのimaginationⅠ日本のフランスにおける素材と技術の違い」を毎晩ノートに書き写したというのです。
こんなにも若いパティシエ達の心を捕らえて離さない弓田先生とは、一体どんな人物なのか?私の好奇心は掻き立てられ、迷わずイル・プルーのドアを叩いたのでした。
それから5年。ケーキを作り上げていく中で、弓田先生の教えが確かなものなのだと思う場面に何度も出会いました。10秒間に20回数えるといったホイッパーの混ぜ方やストップウォッチを使ったイタリアン・メレンゲの作り方など、曖昧な表現に頼らない、まるで化学実験のような正確さが、どんな初心者にも本格的フランス菓子作りを可能にするのです。
10年来ケーキ店を経営し、ケーキの技術は長年のキャリアや勘によるものだと思い込んでいた私にとって、弓田先生の指導方法は、まさに革命的なものでした。そして執拗なまでに食材にこだわり続けるのは、おいしさを追求する上で必要不可欠なのだと改めて気付くことができました。そしていつの間にか、イル・プルーのケーキを追い求め、ひとつずつリメイクしているうちに、遂にはお店までリニューアルしてしまいました。
現在、女性4人だけの小さなお店ですが、毎日の仕事は楽しく‘このお店のファンです’と言って下さるお客様も増えてきました。これも弓田先生、椎名先生をはじめとする、すばらしいスタッフの方々や夢に向かって一緒に学んだ仲間達との出会いがあったからこそ実現できたことなのです。
‘あなたとの出会いを大切に…’
私のお店のランコントレとは、フランス語で‘出会い’という意味なのですから…。
私が今でも心の中に描き続けているのは、入学したての頃、やっとの思いで作り上げたシャルロットゥ・ポワール。しっかりと焼き上がったビスキュイ。まろやかな中にはっきりと存在感のあるババロアズ。まるでひとつひとつの細胞が目を覚ますようなおいしさに感動したことを今でもはっきりと覚えています。
さぁ今度はあなたがその感動を味わってみてはいかがでしょうか。きっとあなたの心の奥にある夢が、目を覚ますことでしょう。
2012年度フランス菓子本科第1クール卒業
2014年度フランス料理Ⅰ 卒業
2015年度フランス料理上級卒業
教室とはいつのまにか3年越しのお付き合いとなりました。はじめは趣味程度の知識でしたので入学する事も迷いながら思い切ってのスタート。フランス菓子本科は手早くお菓子の状態を見ながら緻密な製作、緊張しながらも必死についていきました。会社に通いながらの土曜日2年コースは忙しい日々…半年を過ぎる頃には先生方の丁寧で親切なご指導が反映し、手順にも慣れてきて製作が本当に楽しいと思える時間になりました。
美味しいもの、作ることが大好きな良き同級生達にも恵まれ、1年が過ぎた頃に友人の薦めで都内カフェをお借りしてイル・プルーのルセットと以前から勉強していた自家焙煎の烏龍茶や紅茶をマリアージュして楽しむ「一日カフェ」イベントを家族で開催。この時にメインでお出しした同校のルセット「柚子とショコラのケーキ」は台湾・中国の烏龍茶にもぴったりとお客様から大変ご好評をいただきました。本科の授業とは別に一日講習会で覚えたこのルセット、弓田校長先生が手さばきも鮮やかに一生懸命教えて下さったものでした。(実はこの時、弓田先生は熱があった中での授業だったと後で知りました。教室の後方ではいつでも交代できるように椎名副校長先生が見守っていた事を思い出し…)印象に残り忘れられない授業です。
先生方とスタッフの皆さんでしっかりと支えあって運営されているあたたかな授業はとても魅力的で、その新鮮な美味しさに学ぶ事をさらに後押しされてゆく…そんな教室が去りがたく本科卒業後はフランス料理科へ入学しました。
2年目には同級生と渋谷にてお菓子とドリンクのコラボ「一日カフェ」やインドネシア大使館後援のイベントとして二子玉川のカフェ「Lasah」さんで「インドネシアデー」を行いました。インドネシアの食材を利用しつつ、弓田先生の著書より「タルトゥ・テ・イグレグ」からアレンジした林檎のタルトやバナナのタルト、クレープ、フランス料理Ⅰのルセットから仔羊のカレー(全てハラールメニューとして牛肉でアレンジ提供)などをアメリカ人の雑誌ディレクターの方や著名なミュージシャンの方、インドネシア大使館外交官の方々に召し上がっていただき喜んでいただく機会にも恵まれました。このような機会をいただける様になれたのは教室の皆様に見守っていただけているからといつも感謝でいっぱいです。
イル・プルー・シュル・ラ・セーヌのルセットは私の人生を支える大きな宝物。日々大切にこれからも周りの方たちに「美味しい」をいつまでもお届けしてゆけますようにこれからも日々精進してゆきたいと願っています。
〈左〉柚子とショコラ 〈右〉仔羊のカレーを牛でアレンジ
28歳で洋菓子の世界に飛び込み、わずか数年で開業という大それた夢を抱いていました。
しかし積み重ねてきたものはまだまだ拙くなかなか開業の準備を進められずにいました。
基礎を改めて固めるためにも、新たに学校で学び直そうかと思い様々な学校、教室を調べていました。そんなときにこの教室の体験コースを見つけました。
弓田シェフの強烈な自負、初めはこれに圧倒されてしまいました。
しかし、お菓子を作り始めた瞬間、弓田シェフの手に見とれている自分がいました。
無駄のない流麗な手さばき、なによりこんなに大事に生地を扱う職人を見たのが始めてでした。優しく優しく生地を扱う光景に思わず顔がほころんでしまいました。
このシェフのようになりたいと思いその日に入学を決めました。
講習が始まり、聞き覚えのあるお菓子や生地がたくさん出てきました。
パティシエール、パートシュクレ、フィユタージュ、ジェノワーズ、しかし教わるものすべてが今まで習ってきたものとは別物でした。
手順こそ似ていましたが「混ぜる」などの動作や材料の役割の解釈がまるで違いました。
それは食べても歴然の違いがあり、作り比べると理にかなっていることが未熟な私でもよく分かるほどでした。
なにより教室は居心地が良かったです。生徒同士で同じ熱量で「食」について語らうのはたまらなく楽しかったです。どんな小さな疑問も丁寧に答えてくださる弓田シェフや椎名先生、スタッフのみなさんにはとても感謝しています。たったの一年、短い期間でしたが濃厚な時間を過ごすことができました。
お菓子の基礎を再構築し、職人のあり方を目の当たりにし、ゆかいな仲間と出会い、人生を豊かなものにすることができました。
そして卒業から半年後、無事開業することができました。
その際にはイルプル―の仲間たちが遠路はるばるお店にかけつけて祝福してくれました。
お店が忙しいときに手伝いにきてくれたりもしました。
「イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ」、ただ単純においしいお菓子を習う場所ではなく、自分から積極的にのぞめば様々な発見や出会いが得られる場所だと思います。
父から新しい事業を行い、私がそこの店長を任されることを告げられたのは今から3~4年前のことでした。それが、今現在の「厳選洋食さくらい」です。
一皿一皿に味、素材を厳選し、また下町の粋で暖かいサービスと共に、お客様に居心地の良い空間を提供していこう!という考えをもとにできたお店です。
なかなか洋食屋さんでおいしいケーキを出しているところがない!という時、イル・プルー・シュル・ラ・セーヌを紹介していただきました。 自宅で趣味程度にしか作っていなかった私には、少々戸惑いました。細かい分量、時間など・・・。ただ、それが形になって、できあがった時の美しさとおいしさは、日本では味わうことのできない、味のしっかりとした、本物のケーキの味でした。 おかげさまでお客様には大好評をいただいており、本来食事がメインのお店でありながら、ケーキだけお召し上がりにいらっしゃるお客様もいるほどです。
今後、お店でイル・プルー・シュル・ラ・セーヌから教えていただいたケーキ、そして食べ物に関する考え方をもとに、嘘偽りのないおいしい食事を提供でき、いらしたお客様が幸せになっていただけたら・・・。と思っております。
1949年生まれ
2014年度 本科第1クール、フランス料理Ⅰ 卒業
2015年度 卒業研究科Ⅰ、フランス料理上級 卒業
2016年度 卒業研究科Ⅱ、卒業研究科Ⅲ、卒業研究科Ⅳ 卒業
イル・プルーの教室を知ったきっかけは、雑誌で砂糖を使わない料理を紹介している記事を読んだことでした。やっぱり癌も多くなってきているし、いろんな病気があるでしょう。そういうことに元々興味を持っていたこともあります。今から、15、6年前、まだ恵比寿に教室があった頃、初めてルネサンスごはんの講習会に出たんです。その時にお菓子の教室もあることを知りました。
砂糖を使わないルネサンスごはんの講習会を受けてみたところ、「コンセプトもすばらしく、きちんとした学校だな」と思い、それからずっと、「いつか習いたいな」という気持ちを持っていました。その当時は授業を受ける時間の余裕があまりなかったので、時々パティスリーにお菓子を買いに来ていたんです。そして、「どんな感じかな?」と偵察がてら(笑)、窓の外から教室をのぞいていました。それからもパンフレットは時々もらって帰っていて、「行きたいな、行きたいな」という気持ちがずっとありました。数年前にそれまで担ってきた仕事が落ち着き、時間に余裕ができたことでやっとイル・プルーに通える環境になりました。
実際に通ってみると、先生たちがしっかりフォローしてくれるし、説明も丁寧で、かつ化学的な根拠も教えてくれるので納得がいって分かりやすいんです。当然ですけれども、いろいろ勉強されているなと思いました。 ここまできちんと教えてくれる、化学的な根拠を示してくれる教室はそうないんじゃないかなと思います。それぞれの工程の合理性をきちんと説明してくれます。ただ、「こうしなさい」じゃなくてね。
それに、私のように地方から学びにくる人にとっては、木曜・金曜の連続受講、土曜・日曜の連続受講ができる“振替制度”は助かっています。 あとは、やっぱり子供や孫たちが「おいしい」と言ってくれるのが嬉しいですし、友達に作った料理を食べてもらって、「生きていてよかった」って言ってもらったこともあります。そういう友達がいること自体が幸せなことです。
私は一生現役のつもりです。だって今、皆さんお元気でしょう?80歳から100歳くらいでも元気な人もいるし、少しでもその人たちに近づきたいなと思います。今、『平均寿命が86歳』、ということは、100歳まで元気でいるつもりじゃないといけない。「100歳まで元気でいたいなら、120歳まで生きるつもりじゃないといけないよ」と皆に言っているんです(笑)。でも、今100歳を目指している人は多いですよ。だから常に自分自身に挑戦して、自分の能力を高めたいです。自分自身自由でありたいなと思ったら、自分が思うように動けないとだめです。私は常に自由でありたいと思っているので、つまり“自律するということ”が重要ですよね。
やっぱり食べることは大事だし、今はきちんとそれにかける時間もできたし、なるべく“食”についてもっと深く広く探求したいなと思っています。だから、かなりいろんなジャンルの本を読んでいますよ!
私自身、食べることが一番好きなので嫌いなものはほぼないです。だから元気なのかもしれないですね、そういう風に生まれたこと自体に感謝したいですね。
イル・プルーの教室に通うようになって、食べ物に対してより興味が深くなりました。よくボス(校長の弓田亨)が「フランスの材料とこっち(日本)の材料は違うんだよ」、と言うんですが、「どうしてなんだろう?」と自分なりに疑問を持って調べたりしています。農業の方法、土壌の性質、水の性質、硬水と軟水の違い…だからミネラルとかそういったものが違っているんですね。でも、そんな中でも昔はもっと食べ物がおいしかった、ということもあるだろうし。やっぱり一番がミネラルですよね。そういうことに対する見方もできるようになりました。
教室の生徒さんは様々な年代の方が混じっていますが、学びにくい雰囲気は全くなかったです。皆さんフォローしてくださるし、結構年配の人も来られていますからね。私もですが、地方から来ている人も多いから「えらいなー」と思いますよ。私もまたその人たちから刺激を受けます。若い人は若い人で、きちんと仕事をしながらお勉強されている人が多いですし、一家の家計をやりくりしながら来ている人もいます。いろんな方がいらっしゃって、そういう人の姿勢から学ぶことも多いですしね。『お互いに影響を与え合う』、そんな環境だと思います。やっぱり、そういう人はそれだけ考え方も素晴らしいし、自分もそんなステキな人たちと常に交流していきたいなと。
今回、卒業研究科Ⅳクラスまで卒業しましたが、今後は単発の講習会や一度受けた授業の再受講にも参加していきたいです。イル・プルーとの縁はずっと切らないでいきたいなと思っているので、「何か受けたらいい授業ありますか?」と先生に聞いたりして、細くても長く続けて行きたいなと思っています。
フランス菓子本科1年コース卒業生
70歳になるまで、よもやケーキ作りをするなんて思ってもみませんでした。
体験入学の折に食べたシャルロットゥ・ポワールの味が忘れられず入学手続きをしたのですが、入ってみて戸惑う連続、あまりの厳しさに時間よ早く過ぎてくれと願う日々も幾たびかありましたが、教室のすごさはそんなことはお構いなしに作らせてしまうところです。しかも配ったケーキは全員「おいしい!食べたことがない!」と言うのです。
でも心のどこかでいつも、経験できただけでいい、これで終わりにしようと思ったところがあったのですが、再びケーキを作りたいと思う出来事があり、ぜひ、皆様に読んでいただきたく、手紙を書いた次第です。
それは卒業近くになったある日、一人のご婦人の訪問があり、丁寧な感謝の言葉を頂いたことなのです。
彼女のお父様は認知症になり、施設に入居されていたそうです。彼女は私がケーキを届けた翌日にケーキを施設に持参するようになり、お父様は施設の係の人たちに、「娘が美味しいケーキを持ってくる」と誇らしげに話していたとのこと。
そして持っていたケーキをしばらく手を付けずにじっと見て「高いだろうな」と一言。
「お父さん、食べていいのよ。二人で食べましょう」
このような親子のやりとりを聞いた後に、彼女からこんな言葉を頂きました。
「毎週二人で食べました。父が食べながらボロボロ落とすのを拾っては食べ、拾っては食べ。二人で食べました。2月になってとうとう食べられなくなりました。本当に美味しかった。有難うございます」 親が子になり、子が親になった話です。
「こちらこそ」と言いたいのに声がつまって、何も言えませんでした。イル・プルーに通って本当に良かった。
シャルロットゥ・ポワールから始まったイル・プルーの味は、味覚の伝播として発信すれば、必ず心地よい返信として帰ってくると確信したのです。
教室で学べたことに感謝申し上げます。
有難うございました。