第2回:清水まゆみさん(ウェブ『地球のココロ』編集部(ニフティ)/東京都)
清水まゆみさん プロフィール
ニフティ株式会社勤務。地球のココロ編集部
2003年にココログの立ち上げにかかわり、ココセレブの担当を務める。
2009年「地球のココロ」に移動。自らも体験型の取材を行う。
イル・プルーとの繋がりでは「地球のココロ」で取材をしてもらった縁で、2011年8月29日(月)のニフティのイベントスペース・東京カルチャーカルチャーでの弓田亨のトークイベント実現に繋がり、当日は司会進行をして頂いた。
【その1】ルネサンスごはんとの出会いは、実は8年前。
その後、『失われし食と日本人の尊厳』を読んで再びルネサンスごはんに開眼。
「弓田さんが作るごはんはおいしい!」と改めて思いました。
──確か、清水さんとの御縁は、清水さんが『失われし食と日本人の尊厳』(以下、『失われし~』)を読んで、ご連絡をくださったのがキッカケでしたよね。
清水まゆみさん(以下:清水) はい。『失われし~』の奥付を見た時に、弓田さんが「食の仁王ブログ」にココログを使ってらっしゃるのを知りました。私は2003年のココログ立ち上げの時からチームにいまして、ココセレブ(著名人のブログポータル)の担当もしていたので、ぜひ弓田さんにもココセレブに入ってほしいなと思い、すかさずメールさせて頂きました。
──そもそも何故、『失われし~』を手に取られたのでしょう?
清水 2009年から「地球のココロ」を担当するようになり、意識する対象が自分のことだけじゃなく、ちょっと視野が広がったのか、ジーンズが安価で雇われた子どもたちの手で作られ、先進国で安い値段で売られているといったような現実に衝撃を受けたり、食べ物も、いかに工業製品と同じように早く、安く、均一に作るかという論理で作られているのではないか、と考えるようになりました。
そして本当においしい豚や牛はどうやって作られているのか知りたい。とにかくおいしいごはんが食べてみたい。そう思った時に、「そういえば弓田さんのルネサンスごはんはおいしかったなぁ」って、ふと思い出したんです。
──ということは、『失われし~』の前からルネサンスごはんのことはご存知だったのですか?
清水 はい。実は私の友達がイル・プルーのお菓子の大ファンで、よく休日に一緒にお店に行ってケーキを食べていたんです。確かお店で『ごはんとおかずのルネサンス』の初版を見つけて買いました。とにかく最初に思ったことは、ご飯がおいしそうだなということ。そしてアーモンドやいりこが入ったご飯ってどういう味がするんだろうと思ったら作りたくなって。ある日友達と一緒に半日くらいかけて作りました(笑)。
時間はかかりましたが、すごく濃い味でした。「す・ご・く・お・い・し・い」って強調して言いたいぐらい(笑)、おいしかったんです。
──ちなみにその時作った料理は覚えていますか?
清水 アーモンドと粟入りのご飯、金平ごぼう、野菜たっぷり味噌汁、あと豚の生姜焼きも作りました。当時のメモには「すごく噛んで食べた」って書いてあります(笑)。根菜も多いですからね。すごくおいしかった印象があったんで、「地球のココロ」を担当することになった時に読み返そうと思ったんだと思います。イル・プルーのお菓子が好きな友達がいてよかったと思いますよ(笑)。
──当時のレシピだと、ご飯に加えるアーモンドは100gだったんですよねぇ(ちなみに今は15g)。
清水 ええ。すごく濃厚で、ガツンときました。割と本の通り、忠実に作りましたよ。材料もきちんと揃えて。本当に、半日ぐらいかけて作ったので大変でしたけれど。
そこからは暫くルネサンスごはんのことはどこか心の片隅の奥の方にあったのかもしれませんが、日々の仕事が忙しくなる中で、ちょっと忘れていたんですね。それが「地球のココロ」を担当するようになり、食のことを深く知りたいと思った時に、弓田さんを思い出し、検索して『失われし~』を読むことになり…。でも弓田さんがココログを使っていなければ、たくさんある資料の一つとして、「ああ、こういう考え方もあるんだな」で終わっていたと思うんです。それが、自分も関わっていたココログを使われているということで、勢いがついて連絡出来たんです(笑)。
──まぁ! そうでしたか。ココログを使っていてよかったです(笑)。「地球のココロ」での、いろいろ食への取り組みが、ルネサンスごはんを思い出すことに繋がったのですね。
清水 そうですね。「地球のココロ」は楽しく豊かに行きたいという欲求のもと、自分達で体験してみようというのがコンセプトなので、
農業体験などにも参加し、特に農薬の事や土の大切さを考えるようになりました。農家の方は、「僕たちが野菜を作っている訳じゃない。種が全てを持っていて、土が勝手に育ててくれる。僕たちはそれをちょっとお手伝いして、その恵みを頂いているんだ」と仰るんです。農家の方のトークが新鮮で、それからますます作り手の方達に会いたいと思うようになりました。去年の末には初めて魚釣りにもいきました(笑)。
そういえば以前、こんなこともありました。野菜を蒸して塩胡椒とオリーブオイルだけで頂くシンプルな料理を出すレストランがあったんです。私にはそれがすごくおいしいと思えたので、別の日に改めて友達を誘って食べに行ったんです。でも、友達に「おいしいでしょう?」と訊いたら、「普通だね」って言われて(笑)。
それというのも、その友達の家は野菜を作っているので、毎日新鮮な採れたての野菜を食べていたから、そっちの方がおいしかったんですね。私は見た目や料理の斬新さを喜んでいただけだったのかなと、後から気づきました。
【その2】ルネサンスのおせち料理を頂いてから、毎年おせち料理は自分で手作りするようになりました。
【その3】食べ物を受け付けなくなった病床の祖母が、ルネサンスのお味噌汁だけは、飲んでくれました。「トマトみたいな甘味がする」って。
【その4】忙しくて、日々ルネサンスごはんを作ることは難しいけれど、要所要所で弓田さんの考え方を取り入れて。冷凍は止め、電子レンジのコンセントは、抜いています(笑)。