栄養素を逃さずさらに豊かにする料理法
1. 冷凍保存・電子レンジによる解凍、調理はしない
冷凍と電子レンジ。この2つを頻繁に使っている家庭には、明らかにアトピー性皮膚炎など身体の弱い子が多いです。「ルネサンスごはん」には豊富な栄養素と塩が含まれているので、冷蔵でも4~5日は保存できます。ご飯などは必要量を炊飯器の「炊飯」スイッチで温め直し、味噌汁や煮物は小鍋に入れてガスの火で温めればよいだけです。私はもう電子レンジは使っていません。些細な便利さのために、とても大事なものを捨て続けてきたことに、私達はもっと気づかなければいけないのです。
2. 栄養素を著しく壊す圧力鍋は決して使わない
また最近の高機能の炊飯器も栄養素を壊すことを知る
高温高圧の下では、タンパク質やビタミン類は著しく破壊されます。圧力鍋は主に玄米のふすまをやわらかくするために使われています。玄米を食べるのはふすまに含まれている栄養素を逃すことなく食べるのが目的ですが、栄養素を破壊してしまっては何にもなりません。もちろん、他の料理にも決して使いません。圧力鍋を使わずとも、オリーブオイルを加えることによって、ふすまを柔らかめに分解し、楽しい歯触りに変えることも出来ます。
また最近の炊飯器はより多くの機能を与えることで、より高級・高額なものを作ろうというメーカーの思惑により、本来は必要のない機能が勝手に付加されているようです。特に最新の炊飯器で炊くとおいしく炊けないのです。栄養素への配慮がなく、ただご飯の食感だけが優先され、高温高圧の中で米が加熱されているようです。その結果栄養素が壊され、香り、味わいの欠けた炊き上がりになっているのでしょう。私が子供の頃は炊飯器のフタは載せるだけのもので、沸騰するとプカプカ浮いていました。水蒸気が外に逃げ、釜の中が高温高圧にならず栄養素は壊されていなかったのです。炊飯器は手軽にご飯が炊けるだけでよいのです。よりシンプルな、栄養素にも配慮した炊飯器の復活を強くアピールします。ましてや圧力機能のついたものなどは愚の骨頂であります。「ルネサンスごはん」作りに慣れたら、ぜひ一度、お釜でのご飯炊きも試してみてください。
3. フランス料理の手法を取り入れる
「フライパンにこびりついた焦げも栄養」=デグラッサージュ
肉や野菜を炒めると、フライパンにこびりついた焦げが出来ます。これは実は栄養素の塊ともいうべきもので、大事なものです。決して洗い流さずに煮汁などで溶かしてまた鍋に戻します。これはフランス料理でいう「デグラッサージュ」という技法で、これをするとしないとでは、驚くほど出来上がりの味わいに差が出ます。
栄養素は逃さないというフランス料理の神髄の技法です。
「フタをしてごくごく軽く、フツフツ煮る」=ブレザージュ
強火でグツグツ沸騰させ続けると栄養素が破壊されたり、素材の旨味が混ざりすぎておいしさが失われます。そこで、フランス料理の「ブレザージュ」という技法をヒントにし、フタをしてごくごく弱火で軽くフツフツ煮ることで圧力を少し高くすることにより旨味が効果的に煮汁に出てきます。火加減の調節が難しい家庭のコンロでは、下にセラミックの石綿やブリキの板をおいて調節するか、フタを5mmずらして軽くフツフツ煮て下さい。
また鍋も大事です。ル・クルーゼなどのホウロウの鍋はしっかりとした厚みがあり、火の通りが均一で柔らかく、鍋の中に伝わるので、薄手のアルマイトの鍋よりもすっとおいしく出来ます。
4. 栄養素を豊かに含んだ外国産の食材も加える
皆さんは、「国産のものは安全でしかも栄養豊かで良いもの」と信じているようですが、これはまったくの間違いです。「ごはんとおかずのルネサンス」では、栄養が豊かな大地で作られた産物を積極的に摂り入れることにより、日本の栄養素の乏しくなった農産物だけでは補えない栄養素を補充しています。
日本料理だから外国産のものを加えてはいけない、なんてことはありません。積極的に栄養素が豊かなヨーロッパの大地で作られたオリーブオイル、ワインビネガー、アーモンド、くるみ、松の実などは、栄養素と共に、豊かなおいしさをもたらしてくれます。